からだに聞く

からだに聞く

 「暖簾に腕押し」「柳に風」など

“相手の力を受け流す”

そんな意味のことわざがいくつかある。

 イソップ物語に「北風と太陽」というのがある。

旅人のコートを脱がそうと、

北風と太陽が話をしている。

最初は北風の番だ。

ピューと吹き飛ばそうとするが、

旅人はコートを飛ばされまいとしっかりつかむ。

北風が頑張れば頑張るほど

旅人は前にも増してがっちりとコートをつかむ。

とうとう北風はあきらめた。

今度は太陽の番だ。

太陽はニコニコと旅人を照らし始めた。

しばらくすると旅人は、

暑くなってコートを脱ぐ

という話だ。

 整体も同じである。

強い力、痛い刺激を

加えると手を当てている部分が緊張し、

かえって緩まないのである。

がむしゃらに押しても体表が痛いだけである。

相手と一体に成るつもりで

やさしく関わっていく事が大切である。

 体は自分自身の戻る方向を知っている。

北風と同じように無理やりには

コートを脱がすことはできない。

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