身土不二(しんどふじ)という言葉をご存知ですか?
これは「その人の生まれた土地(地域)で、
とれた食べ物を食べたほうがいい」という意味です。
食養でよく使う言葉です。
たとえば熱帯地方で取れる食べ物は、
身体を冷やす働きを持っています。
だから熱帯地方の人が食べると、
上手く身体のバランスが取れるという仕組みです。
逆に私たち温帯地方で生活をしている者が、
南国で取れる果物などを多くとりすぎると、
身体を冷やしてしまう原因となります。
また地域のことだけに限らず、
季節についても当てはめています。
菜や果物には「旬」というものがあり、
夏に取れる食べ物は身体を冷やす性質があり、
冬に取れる食べ物は身体を温める性質を持っています。
現代は夏になれば何処にいてもクーラーの恩恵(迷惑)を受けられるでしょう。
自分で意識的にスイッチをオフしなければすっかり冷え切ってしまいます。
確かに暑い盛りに飛び込んだ列車にクーラーが効いていると極楽です。
しかし10分も乗っていると寒く感じます。
私は上から羽織るものを一枚余分に持って対処しています。
日本には古来より暑い盛りに涼を得る風物(工夫)が色々あります。
カキ氷やスイカ等食べると体が喜ぶはずです。
確かにクーラーのない時代であれば、
暑い夏に体を冷やす食べ物を食べるということは、
バランスを取るのに適しています。
しかし現在は何処へ行ってもクーラーで快適に調整されています。
自然の暑さと自然の涼この組み合わせが良いのですが、
快適に調整された部屋の中では、
体を食べ物で冷やす工夫は要りません。
せめてカキ氷を食べる時はクーラーを
消して汗をかきながら「ヒャッ」と食べたいものですね。
私たちの体の中にはホメオスタシス(恒常性維持機能)というすばらしい、
バランス調整システムがあります。
ただこの機能も自然の中で働くものであり、
人工的に作られた環境では、
十分に機能しなくなってきています。
例えば今の赤ちゃんは生まれた時からクーラーの中で暮らし、
汗をかくということが少ないようです。
だから汗腺の発達が悪いようです。
2歳ごろまでにしっかりと汗腺を発達させる必要があります。
汗腺にはアポクリン腺とエクリン腺という2種類があり、
エクリン腺は暑いときに、
体温を調節するために汗かくので、
能動汗腺ともいわれています。
同じ環境で育ってもスポーツ等をするかしないかで、
この能動汗腺の能力が違ってきます。
汗がかけないと、
どういうことになるかというと、
ホルモンのバランスが狂ったり、
自律神経の調整不良がおこってきます。
冷房病などといわれているものがそうです。
この夏は積極的に運動をしたり、
半身浴などで正しく汗をかける機能を改善してはいかがでしょうか。